失敗しないシンプルモダンとは?家の外観イメージ・施工例38に学ぶ。

【PR】リンクの一部にアフィリエイト広告を使用しています。

まとめ

シンプルモダンなイメージの外観にしたい。・・・では、シンプルモダンって、何?

一生に一度の大きな買い物である「住宅」。

絶対に失敗したくない(できない)と考えるのも当然のことでしょう。

それにもかかわらず、下調べも不十分なままメーカー担当者がすすめるままになんとなくの印象で選んでしまったり、過度に価格ばかり気にして長期的に損をするような選択をしてしまったりするケースの、なんと多いことか。

住宅展示場も、利用の仕方を間違えてしまうと・・・。

普段の買い物の何100倍、何1000倍という金額がかかった買い物なのに、それ相応の時間や手間ひまをかけている方はほとんどいないはず。失敗しやすいのも当然と言えます。

住宅デザインの中でも特に人気のある「シンプルモダン」についても同様です。

そもそも「シンプルモダン」という言葉の定義は非常に曖昧で、全体としてスッキリとした印象になっていればどんな家でも「シンプルモダン」と呼んで差し支えないため、体のいいコストカットの言い訳などに使われてしまうケースも多いようです。

無駄な装飾を配したシンプルな作りだとしても、いいえ、シンプルであるからこそ、細かなデザインや素材選びの一つ一つにしっかりとこだわらなければ、その「粗(あら)」が目立ってしまいます。一見、無難に思えるシンプルモダンは、本来はごまかしが効かない=失敗がわかりやすいデザインであるとも言えるのです。

では、失敗しない家づくりのために、我々は何をしなければならないのでしょうか?

僕が様々な設計士や専門家から話を聞いた結論としては、以下の3つがポイントのようです。

  • シンプルモダンの失敗例を知る
  • なるべく多くの資料を取り寄せる
  • イメージに合った施工例を見つける

以下で、具体的なイメージ写真をピックアップしながら解説します。

スポンサーリンク

シンプルモダンの失敗例を知る

人はどうしても自分にとって都合のいい面にばかり目がいってしまいがちです。

家を建てるときも、「どうすれば上手くいくのか?」といった感じで、成功例やその方法ばかり集めたくなってしまいますが、それと同じかそれ以上に、様々な「失敗例」にも目を向けるようにすることも、とても大切です。

失敗が少なそうに思えるシンプルモダンな家にも、シンプルモダンならではの落とし穴がいくつか隠れています。

ここでは大きく3つに分けて紹介します。ぜひこれらを参考に、同じ轍を踏まないよう心がけてください。

失敗1:無個性な外観になってしまう

シンプルモダンな家は人気が高いため、ともすればありきたりなデザインになってしまいがちです。

特に「シンプルモダンとはこういうものだ!」という思い込みが強い人ほど、視野狭窄になってしまい、型にはまったお仕着せの外観に落ち着いてしまいがちなんだとか。

シンプルモダンは、みなさんが思っているよりもずっと自由度の高いものです。↓のほうで代表的なモチーフなども紹介していますが、それが全てではないことは重々承知しておいてください。

失敗2:モダンと流行を履き違えてしまう

シンプルモダンとは、その名の通りシンプルな意匠にモダン(現代的)な要素を組み合わせたものを言います。

この「モダン」という言葉が厄介で、単純にデザイントレンドを追いかけたものになってしまう例も少なくありません。

ファッションなどと同様、家づくりにもブームやトレンドといったものがあるので、同じ時期に建てられた家がみな似通ってしまう傾向があります。

ファッション誌と住宅・インテリア誌って、似てません?

洋服ならトレンドに合わせて新しいものを買えばいいですが、住宅はなかなかそういうわけにもいきません。せっかく買った夢のマイホームが、数年で「時代遅れ」「古臭い(ダサい)」になってしまっては目も当てられませんよね。

モダン(現代的)とは「現代のライフスタイルに合ったつくり」という意味です。普遍的でシンプルな家を、暮らしの移り変わりに合わせて変化させていく。そんな柔軟さこそがシンプルモダンの本質なのです。

失敗3:住みづらくなってしまう

外観に過度にこだわりすぎたせいで、肝心の中身(空間)が暮らしにくくなってしまった・・・なんて声もよく耳にします。

小さな窓にしたせいで光が足りない。軒や庇を作らなかったので雨が入り込んでしまう。間取りが制限されてしまったetc・・・。

見た目ばかりを気にしすぎたた結果、こういった問題が起こってしまったのです。

家の外観にこだわりたい気持ちは痛いほどわかりますが、家づくり本来の目的は楽しく暮らしやすい空間を作ること。それを忘れてしまっては本末転倒です。

シンプルモダンを保ちつつ、上記のような問題が起こらないようにする方法はいくらでもあります。「おしゃれは我慢」などと安易に妥協したりせずに、設計士の方や工務店などとよく相談して、デザインと快適性のバランスを上手に模索してみてください。

なるべく多くの資料を取り寄せる

みなさんは家を建てる業者をどのようにして決めますか?

一般的なやり方は、やはり住宅展示場に足を運ぶことでしょうか。住宅誌などをペラペラとめくって気にいった作品と同じところに頼むなんてアプローチもあるでしょう。

しかし、そのやり方のどれも、あまりにも選択肢が少ないと言わざるを得ません。

世の中にはテレビCMでも見かけるような有名ハウスメーカーから、建築雑誌などに作品が載るようなデザイン事務所だけでなく、様々な工務店や設計事務所などが存在します。

あまり有名でなかったり、小さな会社・事務所だからといって腕が劣るということはありません。むしろそういったところのほうがクライアントと密な関係が築けたり、色々と融通を利かせてくれたりといったこともあります。

まずは、できる限り多くの資料を取り寄せることから始めてみましょう。ネットなどで写真をチェックするのもいいですが、アナログな資料や作品集などは情報を一覧(俯瞰)できる紙ならではの便利さがあるほか、画面越しでは伝わらない会社ごとの熱い思いなども感じることができるのでおすすめです。

おすすめの住宅建築作品集

定番の住宅情報誌やムック本などもいいですが、建築家の作品集などに目を向けるのもおすすめです。

思わず見惚れてしまう理想の住宅の数々。ため息さえこぼれてしまうでしょう。

もちろん、それぞれの家をそのまま採用することはできないかもしれませんが、知らない間に凝り固まっていた「家」というものに対する思い込みを壊し、家づくりがもっと自由なものだということを再認識する意味でも、一度は目を通してみてください。

無料の資料請求サービスを利用する

夢ばかり見ていては、いつまでも家づくりは実現しませんので、具体的な家づくりの資料を取り寄せることも忘れてはいけません。

ハウスメーカーや設計事務所のホームページに行けば、それぞれ資料請求フォームなどが用意されていますが、いちいち一つ一つ情報を入力するのもちょっと面倒ですよね・・・。

そんなときは、無料で利用できる資料一括請求サービスなどを活用するのがおすすめです。

この時点ではできる限り選択肢を増やしておくほうがいいので、そういった意味でもこれらのサービスは一石二鳥ですね。

イメージに合った施工例を見つける

資料が届くまでの間は、パソコンやスマホで色々なお家の施工例を眺めて過ごしましょう。

先ほどはアナログ資料の良さについて書きましたが、ネットならではの魅力はやはりその膨大な量。多くの作品に触れることで、自分でも気づかなかった好みやこだわりというものがきっと見えてくるはずです。

夫婦でもそれぞれの好みやこだわるポイントは異なることでしょうが、それでも問題ありません。むしろ逆に、そういった異なる志向が組み合わさることで、十把一絡げなテンプレからは決して生まれない、あなた方だけのシンプルモダンが生まれるのです。

以下には、家の外観イメージ(施工例)を見るときのチェックポイントのようなものをまとめてみました。ぜひそれらを参考に、「自分たちがどんな家を作りたいのか?」というイメージを膨らませていってください。

デザイン(フォルム)

キューブ型

シンプルモダンと聞いておそらくすぐに思い浮かぶのが、このキューブ型ではないでしょうか。

その見た目は、実にシンプル。構造も単純なので施工コストが節約できるメリットもあります。

ただし、先に取り上げたようなデメリットも発生しやすいつくりなので、設計士の方とよく相談して最適な解決策をしっかりと考えましょう。

シンボリック

複数のキューブを組み合わせたものや、曲線的なデザインを取り入れることで、より象徴的・印象的な見た目にしたデザインです。

見る角度によって家の外観イメージを変化させることができるメリットがある反面。中の間取りがシンプルなキューブ型よりもさらに制限されてしまうといったことも起こりがちなのも難点です。

逆に、間取りから考えて外観に落とし込むようにすると、上手くいくケースが多いようです。

平屋

ライフスタイル自体もシンプルにしたい方は、思い切って平屋造りを選ぶという選択肢もあります。

階段の上がり下がりがないので、生活動線も非常にシンプル。和モダンなどのテイストとも非常に相性が良く、日本人の心を非常にくすぐります。

ある程度は土地の広さが必要ですが、郊外の広い土地でのびのびと暮らしたい方は検討してみてはいかが?

カラー(モノトーン)

外壁の色の定番といえば、やっぱり白でしょう。

おひさまの光を浴びて輝く真っ白な壁。見るからに明るく笑顔が絶えない内部空間が想像できそうです。清潔感も演出できてまさに一石二鳥ですね。

ただし、シンプルな白い箱はともすれば無個性にもなりがちなので、他の色や素材をアクセント的に用いたり、テクスチャーにこだわるなどして、ありきたりな壁にならないように工夫してみましょう。

白い壁と並んで根強い人気を誇るのが黒壁です。

落ち着いてクールな大人の空間をイメージさせる漆黒の壁。シンプルな黒だけでなく、少し色を付けたダークブルー(ネイビー)などのバリエーションもあります。

白壁と同様に、こちらも他の色と組み合わせたり、同じ黒でも異なる外壁素材を組み合わせることで特徴を出すのがおすすめです。

グレー

落ち着いた印象を残しつつ、重くなりすぎないグレーの壁も、周囲の住宅からも浮きすぎずおすすめです。

ガルバリウム鋼板やコンクリートなど、素材の風合いを活かしたデザインが多いのも特徴です。

反面、工場のような無機質すぎる外観にもなってしまいがちなので、そのあたりはデザイナーの腕の見せ所ですね。

ツートンカラー

他の住宅との差別化などで、ハウスメーカーなどからもよくすすめられるのが、いわゆるツートンカラーです。

定番の白×黒モノトーンや、黒×ネイビーといったグラデーション的な組み合わせ方など、様々なバリエーションが考えられます。

おすすめは単純な色分けでなく、素材自体も異なる組みあわせにする方法。シンプルな中にも多彩な変化が楽しめますよ。

屋根

切妻

屋根と言ってまず思い浮かぶのが、この切妻屋根でしょう。

施工しやすく低コストといったメリットがあるだけでなく、屋根裏を収納スペースとして活用したりもできます。

ただし、いかにもな家の外観になりがちなので、デザインに工夫しないとモダンな印象が薄くなってしまうデメリットもあるのでご注意を。

寄棟

切妻と並んで定番なのが、四方に傾斜がついた寄棟屋根です。

屋根の高さを節約できるので、斜線制限をクリアしやすいほか、雨が流れやすいといったメリットもあります。

こちらも切妻屋根同様、若干モダンな印象を作りにくいので、デザインや色使いなどで工夫が必要ですね。

陸屋根

キューブ型の家はこのタイプの屋根になることが多いですね。

シンプルな外観が作りやすいだけでなく、屋上庭園などを作ることもできます。

逆に、シンプルであるがゆえに雨が流れにくかったり、斜線制限にかかりやすいといったデメリットもありますので、安易に選ばぬよう注意しましょう。

片流れ

陸屋根のシンプルさを残しつつ、↑のようなデメリットを軽減する方法の一つが、片流れ屋根です。

非常にシャープな印象。南向きに傾斜させれば、屋根のフォルムを維持しつつ太陽光発電パネルを置くこともできます。

角地などでは斜線制限にかかりやすかったり、雨漏りや採光の問題などが発生するケースもあるので、建てる場所に合わせたデザインを心がけましょう。

窓・玄関

小さな窓

シンプルモダンな家といえば、小さな窓をイメージする方も多いのでは?

プライバシーが確保でき、防犯効果もある小窓。白い壁+黒い窓や黒い壁+白窓など、アクセントに使うこともできます。

採光が足りなくなってしまうので、天窓や中庭などで充分な光を取り入れるようにするケースが多いようですね。

大きな窓

大きな窓を採用しつつ、シンプルモダンなイメージを保つ方法も、もちろん存在します。

なんといっても印象的なのがその開放感。一階でも充分な量の光が取り入れられるので、吹き抜けなどが必須でなくなるのもメリットの一つです。

当然、プライバシーの確保が必須となるので、住宅街でも目立ちにくかったり、少しセットバックしている土地を選ぶといいかもしれません。

細長い窓

プライバシーを確保しつつ、ある程度の採光を確保する手段として、細長い窓を採用するという方法もあります。

中の部屋に合わせて縦長や横長を選択できるのも特徴。スタイリッシュな印象になりやすいので、シンプルモダンとの相性もばっちりです。

ただし、FIX(はめ殺し)窓になってしまうケースが多いので、換気設備を別に用意するなどの工夫が必要です。

玄関

窓と同様、外壁にアクセントを付けられるのが玄関です。

軒すら付けずにシンプルに玄関ドアだけ設置した潔いデザインや、キューブをくり抜くように軒を確保する方法、アプローチを工夫してドアを隠すようにするやり方など、様々なテクニックがあります。

玄関は家の顔。画竜点睛を欠くといったことにならないようにしっかりとこだわりましょう。

外壁の素材

塗装

モルタルや漆喰などを直接下地に塗るタイプの外壁は、以前は最も一般的でした。

最近はサイディングボードなどの普及によってそれほど数は多くないのが現状です。やはり施工の手間がネックなのでしょうか。

とはいっても、塗り手(職人)の腕が如実にあらわれ、味わい深い外壁をつくることができる塗り壁はまだまだ根強い人気。小さなひび割れ(ヘアクラック)程度なら自分で補修も可能なので、DIY好きな方はぜひ選択肢に加えてみては?

ガルバリウム鋼板

一般的な窯業系のサイディングボードとは一味違う高機能金属建材がガルバリウム鋼板。シンプルモダンないわゆる「黒い家」などでよく用いられていますね。

アメリカで開発されたアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板は、耐久性に優れているだけでなく、錆にも強いなど様々なメリットがあります。黒以外にも白やシルバーなどの外壁も可能で、意外とバリエーションも豊富です。

ただし、金属建材共通の断熱性能の低さや雨音がうるさいなどのデメリットもあるので、そういった点を許容(もしくはカバー)できるかどうかしっかりと考えて採用するようにしましょう。

コンクリート

クールなデザイン住宅を目指している方は一度は候補に入れるのが、コンクリート打ちっぱなしの住宅ではないでしょうか。

まるでアートギャラリーのようなおしゃれなファサードはコンクリートならでは。耐久性にも優れるだけでなく、間柱をほとんど必要としないため、広い部屋を確保できるなどのメリットもあります。

コストが高くなってしまいがちなのが欠点ですが、ALCと呼ばれる軽量気泡コンクリートのパネルを使用すれば、より手軽にコンクリートのメリットを得られる(※防水性など一部除く)ので、すぐにあきらめたりせず、選択肢の候補に入れておくことをおすすめします。

シンプルモダンとはあまりイメージが合わないように感じられる木材も、色選びや他の素材との組み合わせによっておしゃれでモダンな印象を作ることができます。

木造住宅にアクセント的にガルバリウム鋼板を用いたり、逆にモダンな家に木の温かみを加えるといった感じで、様々な変化に飛んだ住宅が作り出せます。

手軽に木の風合いを外壁に取りいれたいときは、木質系サイディングボードを活用すると便利ですよ。

賢く、楽しい家づくりを。

最後にもう一度、失敗しないシンプルモダンな家づくりのポイントをまとめます。

  • シンプルモダンならではの具体的な失敗例を知り、同じ落とし穴にはまらないように心がける。
  • 住宅雑誌やネットだけでなく、建築家の作品集や住宅メーカー・工務店の無料資料請求サービスどを活用して、なるべく多くの参考資料を手に入れる。
  • 全体の外観イメージや細部のポイントに着目しながら、自分の好みやこだわりを施工例から見つけ出す。

こんな感じでしょうか。

まだ本格的な家づくりに着手する前の段階の方も、情報収集や資料を取り寄せたりといったことは手軽にできるので、まずは一歩踏み出してから、ゆっくりと心構えを作っていくことをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました