暑さも、寒さも。最近は極端ですよねぇ。
寒空の中、必死の思いでようやく帰宅したのに、家の中は外と同じかそれ以上に寒々と冷え切っていて……。急いでエアコンのスイッチを入れるも、なかなか部屋が暖かくならず。リビングの中央で体を縮こませながら、暗く寒い部屋でじっとひとり震える……。
そんな経験が、アナタもあるのでは?
今回は、そんなときに役立つテクニックをご紹介。
エアコンをなるべく使いたくない方や、節約意識の高い方にもおすすめできる「部屋を暖かくする工夫」をまとめてみました。
部屋が寒い原因4つ
窓から冷たい空気が入りこんでしまう
たとえ窓を締め切っていても、僅かなすき間を通して寒気は室内に入ってきてしまいます。
さらに無視できないのが、窓ガラスから逃げていく熱です。
一説では、部屋の暖気の40〜50%は、窓から逃げていくそうです。これは空気がガラスを通して外から冷やされてしまうことが原因です。
せっかくの高断熱の壁も、窓の断熱がおろそかになっていてはその効果も半減してしまいます。
これらは結露の発生にもつながり、カビの要因にもなってしまいますので、しっかりとした対策が必要です。
家自体(壁・床)が冷えている
建物自体が冷えてしまっていると、いくら室内で暖房をつけてもなかなか空間が温まりません。
特に熱容量の高いコンクリート製の住宅やマンションの場合、一度冷えたら非常に温まりづらいため、かなりの暖房コストが掛かってしまいます。
デザインばかり気にして対策を怠っていると、思わぬ落とし穴があるものですね。
空気が循環していない
冷たい空気は下に行く傾向(コールドドラフト)があります。
よって、室内に空気の流れがないと、寒気が足下に停滞したままになり、暖かさを感じることができません。
たとえエアコンをつけたとしても、顔の周りばかり暖かくなり、ぼぉっとしてしまうなんてことも。
ドアが開けっ放しになっている
窓には気を配っていても、ついついドアを開けっ放しにしてしまう癖がある方は、そこから寒気が入り込んでしまっている可能性が高いです。
家全体の空調バランスを整えているようなケースでない限り、開口部が存在するとそこから暖気が逃げていってしまいます。
換気ももちろん大切ですが、一旦部屋を温めたらなるべく暖気を逃さないよう開口部はしっかり閉めておきましょう。
エアコンなしで部屋を暖かくする方法8つ
太陽の光をなるべく多く部屋に取り込む
なるべく壁や床、天井を冷やさずに快適な夜を迎えるためには、日中=太陽が出ている間がカギとなります。
カーテンはできる限り開け、開口部の周囲や窓辺に小物が置いてある場合は、別の場所に移動させましょう。
日当たりが悪い部屋にお住まいの方には、太陽光を家の中に取り込む専用の装置なんてものもあります。
効率的に太陽の光を室内に取り込むことができれば、部屋によっては真冬の日中でも暖房を使わずに過ごすなんてことも可能です。
窓にプチプチを貼る
最も暖気を逃してしまう窓、しっかりと断熱しましょう。
おすすめなのがホームセンターや100円ショップなどでも売っている梱包用の「プチプチ」です。
これを窓に貼ることで、空気層による断熱効果を作り出すことができます。
※見た目を気にしない人はダンボールでも可。
すき間があるとそこから暖気が逃げていってしまうので、なるべくなら窓枠までカバーしたほうが効果的です。
窓に遮熱シート(断熱フィルム)を貼る
プチプチの代わりに、専用の遮熱シートや断熱フィルムを貼るという手もあります。
これなら見た目にもスッキリとしますし、シートの中にはおしゃれなデザインのものや目隠し効果を持たせたものなどもあるので、お部屋に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
プチプチやダンボールも含め、こういった断熱系シートは壁や床、天井に貼っても効果がありますよ。
隙間防止テープで窓の気密性を高める
窓はしっかりと閉めていても、どうしてもわずかなすき間が生まれてしまうもの。ここから寒い空気が入ってきてしまっては台無しです。
そこでおすすめなのがすき間を塞ぐことができる専用のテープです。
ただし、貼り方を失敗してしまうと開け閉めができなくなったり、余計隙間ができてしまったりするので注意しましょう。
厚手のカーテンを取り付ける
一般的なカーテンよりも、冬場は厚手のカーテンのほうが断熱効果も高くておすすめです。
中には特殊な繊維を使用して遮熱効果を高めたカーテンなどもあるので、デザインだけでなく、そういった機能面もしっかりチェックするようにしましょう。
遮光カーテンは夏場も外からの熱気を防ぐ効果があるため、オールシーズン使える便利アイテムです。※冬場の日中にカーテンを締め切ると、室内が太陽光で温まらないため注意。
また、カーテンのサイズが合っていない(窓枠より小さい、床から離れているなど)と、隙間から冷気が入ってきてしまうので注意が必要です。
カーテンレールから冷気が入ってきてしまうこともあるので、カーテンボックスを取り付けると見た目もスッキリとしておすすめです。
夜は雨戸・シャッターを閉める
開口部に雨戸やシャッターが付いている場合は、冬場だけでも日が落ちたらそれらを閉めるようにすると、断熱効果や隙間風を防ぐ効果が働きます。
マット・カーペットを床に敷く
足元が冷えていると、なかなか暖かさを感じることができません。
特にフローリングタイプの床は保温効果があまりないため、日中に太陽の光をあてていても夜になればあっという間に冷え切ってしまいます。
そこでおすすめなのが、マットやカーペットなどの敷物(ラグ)です。
ジョイント式のコルクマットは、サイズを手軽に調整できるので特におすすめです。
さらに床とマットの間にアルミシートなどを敷くと、断熱機能が働き、より効果的です。
ホットカーペットもいいですが、シンプルなウールカーペットやマットでも充分効果がありますよ。
加湿する
湿度が下がっている(乾燥している)と、実際の室温よりも体感温度が下がってしまいます。
部屋が乾燥していると健康にも悪影響がありますので、冬場は適切な加湿を心がけましょう。
定番の加湿器もいいですが、バスタオルを濡らしたものをタオルハンガーにかけておくだけでもそれなりの効果がありますよ。
さらに電気代を節約(節電)しつつ部屋を暖かくする工夫4つ
インテリアカラーを暖色系にする
視覚から受ける心理的影響というのも、なかなか馬鹿にできません。
部屋のメインカラーを暖色系にするだけで暖かさを感じることは科学的にも実証されていますし、食欲が増し、料理が美味しそうに感じるなどのメリットもあります。
カーテンやカーペット、ソファカバーなど、空間全体への影響力が強い広めのファブリックの色を変えるのが特におすすめです。
キャンドルに火を灯す
エコなプチ暖房といえば、キャンドル(ロウソク)も忘れてはいけません。
最近はキャンドルの放射熱によって空間を暖める「キャンドルヒーター」なども増えてきていますし、中には調理までできてしまうものなんかもあったりします。
部屋の色に赤を多く使うと、交感神経が刺激されやすくなる(活動的になる)ので、火を見ることによるリラックス効果でバランスをとることもできます。
湯たんぽ
最近見直されてきている、日本古来の暖房グッズがこちら。
昔は陶器や金属製で扱いも面倒くさく、見た目にも野暮ったいものしかありませんでしたが、最近は様々な素材・サイズが揃っており、デザインのおしゃれなバリエーションが数多く存在します。
就寝前に湯たんぽを入れておいた布団のぬくぬく感は、一度体験したらやみつきになること間違いなし。乾燥やホコリの心配がないのもポイントですよ。
防寒スリッパや着る毛布などを活用する
一人暮らしの方など、部屋全体を暖かくする必要がないという場合は、身につけるもので防寒対策をするというのもおすすめです。
単純に服を着込むだけでなく、最近は様々な室内用防寒グッズが増えてきていますので、ぐっと快適に過ごすことができます。※詳しくは次の項で紹介。
【おまけ】部屋全体を温めない、という考え方。
そこで過ごす人だけが暖かくなるようにしたいのならば、部屋全体を温める必要は、必ずしもありません。
というわけで、空間暖房を使わずに暖かくなれるグッズをまとめてみました。
着る毛布
私も愛用しているのがこの着る毛布。
毛布や布団を頭からかぶったまま部屋の中を動き回る不便さを味わったことがある方なら、ガウンのように羽織れる毛布の便利さは言わずもがなでしょう。
これさえあれば、よほどのことがない限りエアコンから卒業できますよ。
ハンドウォーマー
女性に限らず、手先が冷える不快さや不便さは誰しもが感じたことがあるはず。
昔ながらの手袋型ハンドウォーマーはもちろんのこと、最近はマウスパッドにUSB暖房機能が付いたものやハンドマッサージャータイプのものなども存在します。
スマホをいじったり、パソコン作業のお供にいかが?
フットウォーマー
手元と同様かそれ以上に冷えやすいのが「足元」ですよね。
こちらも昔ながらの防寒スリッパやレッグウォーマーなどのほか、ヒーター内臓のフットウォーマーや小型ホットカーペット、自宅で足湯ができるものまで様々なバリエーションが揃っています。
リビングでテレビを見ているときや、デスク作業中の足元にぜひどうぞ。
着るコタツ
とうとうこんなものまで爆誕していました。
着る毛布+ヒーターというか、巨大フットウォーマーというか・・・。お腹と足元に2つのヒーターを内蔵したこちらは、サイズ調整可能で体の大きな男性でもしっかりと下半身を包み込んでくれます。
コレと人をダメにするソファを組み合わせたら、冬場は一歩も動けなくなりそうですね・・・。
エコもほどほどに……。
なるべく電気代を節約したい気持ちは痛いほど分かりますが、ここ数年の寒さは、昔ながらの防寒対策では対処しきれないこともしばしばです。
命や健康よりも大切なお金なんてありません。どうしても我慢できないときは、しっかりと適切な暖房器具を活用しましょう。
エアコンによる部屋の乾燥が気になる方なども、加湿や部屋の保温を適切に行うことでいくらでもカバーが可能です。
※室外機の周りやフィルターを掃除するなどして、少しでもエアコン効率を高めるのも忘れずに。
部屋の暖気を循環させることができるサーキュレーターなどは、夏場にも使えて特におすすめです。
床暖房や二重サッシの取り付けなど、いわゆる「防寒リフォーム」も、長い目で見ればコスパが高いかもしれませんね。
今回紹介したテクニックや、↓で紹介しているような便利な暖房グッズを効果的に組み合わせて、どうか快適な冬をお過ごしください!